雑感

設計とは別に思ったこと

八丈島出張              20250307

 

 八丈島に出張することになった。リゾートホテルに付帯する設備にコンテナが使われるため、アドバイザーとして参加を求められたのだ。

 小笠原と言えば、以前、日本でも有数の星空観察地点として青ヶ島が紹介されているのを読んで、いつか行きたいと思っていた。八丈島は、その青ヶ島の少し手前で、羽田から飛行機で1時間らしい。目的地は市街地から離れているから、町灯りは少ないと期待できる。あとは宿泊地と天気。

 

 

 八丈島は地図を見ると直線距離で金沢より少し遠く、大阪より少し手前に見えた。父島まで船で24時間と聞いているから小笠原諸島は遠いイメージだけれど、やっぱり東京都だ。笑

 

 父島に以前住宅の計画があったけれど、建て主に運よく、僕には運悪く絶好の中古別荘が見つかったので途中で中止したことがある。(紳士的な建て主で経過分の設計費用を清算してくれた。)

 

 今回、それとは別のホテル計画が軌道に乗り始めたらしい。その計画は数年前から設計者が決まっているから僕の出番は少しだし、現地まで赴く可能性は低いと思われる。

 それでも、ホテルが完成に近づいたら行ってみたい。1日かけて船で渡り、3日後の船でまた一日かけるからまあ1週間だ。(^^;)

 そんな気持ちでグーグルマップで父島を検索したら面白いことに気づいた。有名かも知れないけれど。

 父島も母島も群島らしくて、少し小さめの島を従えている。

 その名称が、兄島・弟島・姉島・妹島・姪島、なのだ。

 

 しかも、母島には「母島の4本岩」という標記が見える。

 「十五少年漂流記」か「宝島」か、わくわくさせられる。

牛スジ煮込みフォー           29250304

 

 先日、井の頭線と小田急線を下北沢で乗り換えることがあって、昼時だったから、久しぶりに「眠亭」で真っ赤なチャーシューのチャーハンを食べようと思った。

 店まで行ってみると、行列というより7~8人のおっさんが空席を待っているようすだったのであきらめた。眠亭は根強い人気。

 そこで足を向けたのは、数年前に井の頭線の高架下に開発された飲食店街。

 コンテナのパーツを組み込んで時代受けを狙ったようすで、設計ではないものの、初期のアドバイザーに加わったから親しみがあるのだ。(ついでに言うと、井の頭線改札そばのセブンイレブンは僕が設計を担当して、とても小さいけれど駅舎の構造が入り組んでいて苦労させられた思い出がある)

 いつか食べてみようと思っていたベトナム料理店に入って、ひとつだけ空いていた二人掛けの席について頼んだのは、「牛スジ煮込みのフォーと生春巻きのセット」

 はじめは、おいしいけれどあまりパンチはないなあ、という感想だったけれど食べ進むにつれて愛着が湧いてきて、ついに飲み干してしまった。(普段は努めて控えているのに)

 

 和食の「出汁」にしばらく前から注目があって、僕もそれを誇りに感じたりしている。しかしながら、コクとか旨味という点では日本の専売特許ではないのだろうと実感した。

 

 帰りにレジの前に立つと、厨房の奥に日本人店長らしき人がいてにこやかに声をかけてくれた。

 もっと近くにいた、ベトナム人と想像するコックさんは黙々と鍋に向き合っていたけれど、一瞬こちらを見て目が合ったので「すごく美味しい」と大げさに言うと、とても嬉しそうな顔をしたのでこちらも幸福になった。

 下北沢駅の改札すぐそばで(渋谷寄り)台湾料理の焼き小籠包の店など、単品で注文できる店もあるからいろいろ楽しめる。

確か「みかん」というスペースだったような。

ふたつ嬉しかったこと          20250228

 

 今日、ふたつの嬉しい出来事があった。

 ひとつは、初夏に着工した「仮 黒江様三鷹邸新築工事」のお引渡し検査で喜んでもらえたこと。

 もうひとつは後ほど。

 

 黒江様とは、実は中学高校時代の同級生である「黒ちゃん」のことだ。

 工事名に三鷹邸とにあえて付記したのは、10年前に隣駅の武蔵境に一軒が建築完工済みだったから。

 つまり、10年後の今、お孫さんを含めた家族構成などからもう一軒建てようとなったそうで、また指名してくれたのだ。

 

 その理由は僕が引き合わせた建設会社を高く評価したことが第一で、彼は義理堅いからセットとして僕の指名もあったのだろうか。

 その後、楽しい意見交換を経て着工して、今日のように幸福感を共有できることはとてもありがたいことだ。

 

 黒ちゃんは、僕が何年も前に記した中学時代の実力テストで学年4番だったらしい。(270名中)少し悔しそうに。

 中学時代はクラスも近くなかったから親しくはなかったけれど、彼はサッカー部で、僕はグラウンドで見た強烈なミドルシュート2本の残像が頭にある。高校では野球部でキャプテン・キャッチャーを務め、慶応大学ではボート部で活躍したらしい。

 僕の通った高校は、都立高校としてはみな優秀だったけれどその典型だった。

 

 嬉しい出来事ふたつめ。

 

 今日、完了検査の合間に黒ちゃんと雑談していたら、この雑感をしばしば開いてくれていると聞いたこと。しばらく前に記したことも話してくれたから、気にかけてくれているのだろうと思う。

 僕は、この雑感を開いてくれるのは妻と長女、それに亡くなってしまった義母かと思っていたので、親族以外で「読んだよ」と聞かされるとは。嬉しい。

金沢出張                 20250226

 

 昨日、金沢に打ち合わせに出かけたのだけれど、日帰りになった。

 少しも無理なく日帰りなので、ちょっと感心した。

 東京駅から「かがやき」なら2時間半、軽井沢から金沢まで各駅に停まる「はくたか」でも3時間だから、当地に5時間とどまってもどこも急がなくてよい。

 

 何年か前に大阪出張が続いた時、当然のように日帰りだったし、その後尼崎に通ったときも日帰りだった。だから、金沢は先入観をなくせば大阪と同じ距離なのだ、と思う。

 観光で訪ねた時を除いて金沢に宿泊した記憶がないから、前回、前々回も日帰りだったはずだけれど、久しぶりだったので一泊するものだと思い込んでいた。

 左の写真は金沢駅そばで食べた「炙りのどぐろ美食丼」、おいしい。笑

 

 観光で妻とのどぐろの握りずしを食べて感激したことがあった。今回の出張で送迎してくれた、毎年金沢の4尺玉花火を家族で見に来ている仕事仲間によれば、のどぐろの握りずしは珍しいとのことだから、もう一度食べられるとは思っていなかった。

 真紅の巨大フォードで駅に送ってもらって、さてどうしようか。

 土地勘はないし、新幹線に乗るには余裕も残したいから観光案内所に相談した。フレンドリーな窓口の方が教えてくれた店に行った。期待したよりのどぐろが小さいと思ったけれど、おいしいから文句は言うまい。

 

 以前、インターネット記事でスイス人の北陸旅行印象を読んだ。そこには、「雪を抱いた美しい山並みについて、スイスほど恵まれた国はないとして、海(富山湾)の向こうに市街地があって、その先にそびえる日本アルプスには圧倒された」とあった。

 僕も、富山から見返したときに感激した記憶がある。

 

 今度はまた人気のある市場街でのどぐろ握りずしを食べたい。夏ごろかな。

AI社会                 20250209

 

 あまりピンときていないけれど、AIが使いやすくなることで社会や仕事のあり方が激変するらしい。

 僕は、触れたことも無い現状のまま、密かに期待している。

 

 多くの職種がAIに取って代わられると指摘されていて、建築設計ももちろん例外ではないというか、むしろ筆頭かも知れない。

 だから不安はあるけれど、それよりは読むに堪えない建築基準法を代わりに解釈してくれるのならこんなにありがたいことはないと思うのだ。

 

 建築士には大雑把に言って二通りの人種がいて、ひとつは建築計画(デザイン)がしたいひと、そしてもう一つは独占的専門家でありたいひと。

 

 若い時、上司建築士に「建築士は男芸者みたいなもの」ということを言われてどうかと思った。それはあまり一般的な見解ではないし、そもそも芸者さんに失礼かと感じながら、建て主のご機嫌を取る必要がある、という意味だと解釈した。

 

 AIもどんどん進歩して、相手の感情を読み取れるようになっていくのだろう。

 でも、と僕は思う。

 

 「生身」は活力の源泉ではないのか。と。たとえば落語は情報なのか。「メメント モリ」 ご機嫌取りではない、有限時間の共有こそが醍醐味なのだ。

 

 ああ、早く確認申請がなくなりますように。祈。

夢見                   20250206

 

 しばらく前にブックオフに行ったとき、いつも知っている作家を探ちがちだから、たまにはチャレンジをしようと思った。

 結果的には、西加奈子さんも何冊目かだし、自分では意外なことに横山秀夫さんもそれなりの数を読んでいた。

 刑事もの・警察もの・企業ものに興味が薄いと思っていたのに。

 ベッドにもぐりこんで本を読む時間は楽しみなものだけれど、この「第三の時効」という短編はあちこちでつっかかるので眠気が増すばかりで一向に進まなくて、他の2冊は手つかずだ。

 

 まあ、それは仕方がないとして、困るのは夢が妙な切迫感を伴うことだ。時間だったり、場所だったり、対人関係だったりと、普段は経験しない妙に現実感のある夢が続くのだ。もう寝る前に読むのをやめようか。

 

 ただ、とても精緻な進行と静かな語り口は魅力があって、何度か他の本に手を伸ばしたけれど結局開いている。

 

 思い返せば、「ノースライト」「半落ち」「クライマーズハイ」などを楽しく読んだのだった。それにしても夢見がなあ。笑

マダガスカル               20250131

 

 高校の同級生4人で時々集まることがあって、(もともと町田近辺居住という縁だけれど、今は少し変化した)前回からしばらく間があいたので、呼びかけようと思った。

 何かの折に、その4人以外で船橋に居る「前田君にも会いたいね」という話があったので先に都合を尋ねてみた。

 すると、「参加したいのはやまやまだけど、3月末までマダガスカルに出張なんだ」

とのこと。

 

 左写真は前田君が送ってくれたもの。

 

 ナイロビや東南アジアで都市計画のアドバイスや指導をしていたのは聞いていたけれど、今度はマダガスカル共和国か。

 詳しいことは帰国時の会で聞くとして、率直にうらやましい。

 本人は「長旅はこたえるので、この後は減らしたい」というけれど、少年サッカーの指導ばかりか本人も地域公式戦に出場する現役サッカー選手なのでまだまだ活躍しそうだ。

 地球儀を見ると、かろうじて日本とマダガスカルを同時に見ることができる。写真では、右上端の薄緑色が日本で、左下端の島がマダガスカル。

 

 ほぼ地球の裏側じゃないかと検索してみたら、直線距離は11345㎞とのこと。

 地球の周長は4万㎞だから、真裏ではないのだな。

(真裏を調べると、ブエノスアイレスの西南遠くらしい)

 

 バオバブはあるの?と聞いたら、首都にいるので見ようと思ったら車で数時間かかりそう、とのこと。「バオバブならセネガルで見たよ」とも。

 

 活躍の話をじっくり聞きたい。

自省の記録                20250131

 

 たまたま、インターネットでタレントの小島よしおさんが投資で大成功している、という記事を目にした。インタビュアーを忘れたけれど、著名な人だった。

 結果的に投資詐欺に違いないと思うけれど、一瞬気持ちが動いたので、その時の心情が忘れられない。

 その記事は別の機会に別の人々のインタビューとして再現されていたので、詐欺は間違いないだろう。

 

 まさか自分が・・・という話は多くの被害者に共通するもので、僕もそうした話を聞くたびに、「騙されやすい人っているんだな」くらいに思っていた。

 

 今回のことでは、行動に移す前に関連情報を検索して警告メッセージを複数見つけたので、危うい点はなかったけれど、心動いたことは忘れられない。

 

 トランプ米大統領が、巧妙なフェイクでネットに現れて何かを宣言したときに、どんな方法で検証するのだろう。

 

 フジテレビは今回の騒動を奇貨に、30台40台にリーダーを刷新して蘇ってほしい。自分で言うのもどうかだけれど、昭和生まれはおとなしくしていれば良いのだ。まあ、でも難しいか。週刊文春の行動を見ても、僕は世の中のことを知らなさすぎるらしいし。

 それでも、一攫千金はもういいとして、鵜呑みにしないように自衛したい。